其の二 「己の甘さを知る その1」


  古賀です。11月は大変ありがたいことにほぼ毎日のように各方面から講演の依頼をいただき、まだまだ未熟者の私ですが、人生の諸先輩方を前に私なりの26年間の柔道人生から学んだことを話させていただいております。
  来年、人材育成を主たる目的とした道場「古賀塾」の生徒募集を始めることからもお分かりになっていただけると思いますが、私にはまだまだやることが山のようにあり、夢を追いかけている途中の青二才です。そんな私ですが、講演させていただく際、よく話させていただいている内容をこれから数回に渡ってこの場で書かせていただこうと思います。内容は私が昨年出版させていただきました「精神力」(角川書店)の中から抜粋させていただくことが主となるのですが、私なりに一所懸命に書かせていただいた内容ですので、自信を持って抜粋させていただきます。決して怠慢で抜粋するわけではないですよ(笑)。

 それでは今回は「己の甘さを知る その1」を抜粋させていただきます。

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 自分の弱さを知ることは、さらに強くなりたい、と思う精神力を鍛えるキッカケともなる。 現在はプロレスラーとなった小川直也選手と対戦したときも、自分の弱さ、甘さを知るいい機会だったと思う。

 1990年、全日本選手権大会に私は初めて出場した。ソウルでの敗北から立ち直り、肉体的にも精神的にも充実していた時期だと思う。大会の東京予選に出たときから直ぐに私はマスコミから注目を浴びた。というのもこの選手権は体重制限のない無差別級の戦いだからだ。100キロ超の選手が多く出場する大会に中量級、70キロそこそこの私が出場することがまず話題となったのだ。

 《柔よく剛を制す》 柔道の醍醐味を表現する言葉としてよく使われるが、まさにその言葉どおりの挑戦。「無謀だ」、「ケガをしたらどうする」という声も多かったが、私としては柔道人生のなかで一度挑戦してみたい舞台、大会だったのだ。 中学、高校時代は団体戦で自分より大きな選手を相手にするのは得意であり、逆に闘志が湧いた。現在では階級別で戦うことが当たり前となっているが、私が柔道を始めた時代は無差別級で戦うことが当然だった。

 そして、これまで「小さいから大きい相手には負けてもしかたがない」と指導者から教えられたこともなかった。

(続く)

『精神力』(角川書店)より抜粋

(次回更新 11月29日)


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