其の九 「決心の教え その1」


 皆さんこんにちは、古賀です。今回から、また新たな章に入らせていただきます人生一直線の連載テーマは「決心」です。この決心に関してなんですが、選択肢があまりに多すぎる現代では、本当に難しい課題だと思います。極論すれば、どのような選択をしようともまず殺されることはない時代です。いくらでも逃げ道はあるわけですから、あらゆる局面においてなかなか決心はできませんよね。結婚しない男女が増えているのも、やはりこの選択肢の多さが影響しているのでしょうか・・・(笑)

さて、前置きはこのぐらいとして、そろそろこの「決心」に関する連載に入らせていただきたいと思います。柔道において技を磨くことは至極当然、大切なことなのですが、同時に心を磨くことも大変重要なことです。中でもこの「決心」という心の動きを疎かにしてはならないと、私は強く確信しております。

それでは、ご一読の程、よろしくお願い致します。

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 私が物事に対するときに、決心することの大切さを教えられたのは、講道学舎の設立者である横地治男先生だった。「妥協しない」「勝負は勝つためにやる」とは恩師である吉村和郎先生から教えられた教訓だが、その以前の心構えとして「決心すること」は重要だと思う。

中学、高校時代の私にとって吉村先生が技と勝負の師であるとすれば、横地先生は心のあり方を学ぶ師であったと思う。「決心すること」は横地先生が生徒を集めて話をするときによく使われた言葉だった。

妥協なき練習、勝つための練習は非常に厳しいものだ。得てして人間は弱く、厳しさから逃げ出したいと思ってしまう。そんなとき、最も大切なのは「自分はこの道でどうしたいのか決心することだ」と我々に教えてくれた。目標を定めるにも、課題を克服するにも、この決心がやはり重要になる。最初の心構えがあやふやだと、やはり何事も成就しないように思う。

(終)

『精神力』(角川書店)より抜粋

(次回更新 3月17日)


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