其の三十五 「自分で考え、自分で動いて、初めて自分の力を発揮できるようになる」

こんにちわ古賀です。しかし、暑くなってきましたね。稽古中も汗がたくさん出てきます。

今回のタイトルは「自分で考え、自分で動いて、初めて自分の力を発揮できるようになる」にしました。古賀塾でも常に取り組んでいる事、目指している事です。やはり、自分の心が、自分の体を動かす一番の原動力です。私は、全日本でも、古賀塾でも、まず選手の何を見るかと言うと、「その選手が本当にそれをやりたくて、そのために考え、行動しているか」です。指導者がいくら何を言っても、まずは選手がこの気持ちを持つか、です。

今回はそれについてまとめてみました。

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  指導者として教える難しさは、実際に指導者になってみないとわからない部分がある。次々に指導上の問題に直面することも多い。私もコーチに就任した当初は気持ちだけが空回りしていたように思う。選手ともまだ理解しあっていない部分も多かった。そういった時期はついついアドバイスし過ぎていたように思う。

少しでも選手に良くなって欲しい、役に立ちたい、という気持ちからなのだが、そういう行為は、結局その選手の持っている素材、個性を殺す事になりかねない。選手自体も、とりあえずアドバイスされたことを「言われたとおりにやらなきゃいけない」と考えてしまう。選手をこの心理状態にしてしまうと、一を与えて一が出来るだけで終わってしまうのだ。常に当たり前のことしかできなくなってしまう危険性をはらむ。

 現在、私は途中から選手に対してちょっとした動機付けだけをするように心掛けている。人間というものは自分で考え、自分で動いて、初めて自分の力を発揮できるようになるからだ。柔道の試合中には作戦タイムはない。国際試合ならものの5分で終わってしまう。

 その僅かな時間のなかで最大限の力を出せる能力を身に付けさせることが、今の自分の使命だ。

『精神力』(角川書店)より抜粋

(次回更新 6月15日)


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