其の三十八 「動機はどこにあるのかの確認」

ここんにちは、古賀です。アテネより無事戻りました!まだまだ課題も多いですが、ご存知の通り、私がコーチを担当しました谷本選手が金を取りましたし、全体的にも良かったのではないでしょうか?

今回の一直線は、人が何かを目指す時、その人間が何をしたいのか?そして、その動機は何なのか、を確認する事の大切さです。今回書いてる事は、谷本選手はもちろん、私が接している選手、全てに言ってきている事ですし、私自身も常に確認をしている事です。

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 重要なのは相手の気持ちを原点に立ち返らせることだ。

 「お前はこれから何を目指していくのだ?」と相手に面と向かって問い掛けてみる。調子が上がらない時は得てしてこの自分の目的を忘れてしまう場合が多い。

例えば、与えられた練習のメニューをこなすこと、今の自分の悪い状況を考えることだけに一生懸命となり目的と向かい合う余裕がなくなっているのだ。さらに「何をやっても駄目」「技がかからない」「体力もない」とあらゆることを悲観的に考えるようになる。そうなると負けることに対する恐怖感だけが心を支配する。

 そのとき、指導者は「目指せ」と強制するのではなく、何を目指すのかを認識させることが大切になってくる。

 日本代表クラスの柔道選手の場合、どんなにそのときの状態・状況が悪いなかでも、そう問われたら「勝ちたい」と答えるであろう。そこから、「では、そのためにどうするか?」「技は」「気持ちは」とアドバイスしていくように今はしている。

 まず、聞く耳を持つ。そして、こちらから押し付けるのではなく、一緒に考える。そして、相手に言葉で「自分の目的」「自分の原点とは何か」を言わせることが大切だ。

 「こうなりたい」という目的は漠然と誰もが持っているものだが、これをもう一度自分の口から声として出させることが大切だ。

 不思議なことに、思っているだけでは成果が出ないことも、宣言することによって本当の目標、目的となる場合が多いのだ。

『精神力』(角川書店)より抜粋

(次回更新 9月15日)


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